加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)症とは
加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。50歳以上の人の約1%にみられ、高齢になるほど多くみられます。
黄斑とは
黄斑とは網膜の中心にある直径1.5 mm~2 mm程度の小さな部分の名称で、黄斑の中心は中心窩と呼ばれ、見ているところ(固視点)からの光が当たる部位です。
黄斑は大変小さな部分ですが、黄斑が障害されるとそれ以外に網膜に異常がなくても視力が著しく低下します。網膜の下には網膜色素上皮という一層の細胞があり、その下に脈絡膜という血管に富んだ組織があります。
網膜が正しく働くためには網膜の下にある網膜色素上皮やその下にある脈絡膜が正しく働く必要があります。
黄斑は大変小さな部分ですが、黄斑が障害されるとそれ以外に網膜に異常がなくても視力が著しく低下します。網膜の下には網膜色素上皮という一層の細胞があり、その下に脈絡膜という血管に富んだ組織があります。
網膜が正しく働くためには網膜の下にある網膜色素上皮やその下にある脈絡膜が正しく働く必要があります。
加齢黄斑変性症の症状
(1)変視症
- 網膜の腫れや網膜の下に液体が溜まると網膜がゆがみます。黄斑部は障害されますが、周辺部は障害されていませんので、中心部はゆがんで見えますが、周辺部は正しく見えます。
(2)視力低下、中心暗点
さらに黄斑部の網膜が障害されると、真ん中が見えなくなり視力が低下します。
(3)色覚異常
症状が進んでくると色が分からなくなってきます。
加齢黄斑変性症の種類
萎縮型
滲出型
必要な検査
加齢黄斑変性を正しく診断するためには、眼底検査や造影検査などの詳しい検査が必要です。
視力検査
アムスラー検査
眼底検査
網膜の状態を詳しく観察する検査です。網膜の状態が詳しく分かり、出血や新生血管が分かります。
三次元眼底像撮影装置(OCT)による検査
造影検査
静脈から造影剤を注入した新生血管などの状態を詳しく調べる検査です。
ルセンティス療法
ルセンティス療法
ルセンティスによる薬物療法により脈絡膜新生血管の拡大を抑え退縮させ、視力を維持あるいは改善させることが可能です。
ルセンティスは、脈絡膜新生血管の成長を活発化させる体内のVEGF(血管内皮増殖因子)という物質の働きを抑える薬です。薬を眼の中に注射することで、加齢黄斑変性の原因である新生血管の増殖や成長を抑えることが可能です。ルセンティスによる薬物療法をより安全で有効なものにするために、担当医の説明を十分にご理解のうえ、治療を受けてください。
治療概要
- ルセンティスによる薬物療法は、導入期と維持期で異なります。導入期では、月1回ルセンティスを白眼の部分から眼の中心の硝子体という場所に向けて注射します。これを3 ヵ月間繰り返します。その後の維持期は、眼の診察や検査で症状をみながら、必要に応じて注射します。検査は必要に応じて月1回、視力検査と眼底検査、場合により光干渉断層撮影等を行います。
光線力学的療法
専用レーザーを病変に照射します。治療を行う前に造影検査を行い、脈絡膜新生血管をはじめとする病変を確認して、病変の大きさに合わせてレーザーの照射範囲を決定します。